パンドラ アシュヴィン×千尋


その箱を開いちゃいけない。 その箱の中を見ちゃいけない。 守れる? *** この世界に着てから、私は女王だった。 千尋という存在は隠れて、常に立派に、よく考えて、美しく、民のために・・・ ほんの数日前まではただの女子高生の小娘がいきなり世界のメシアのような立場、 でも、そんな風に青春を犠牲にしたって、私はこの国を守りたかった。 もういちど姉さまの愛した国を作りたかった。 その一身だけで動いてきたのよ私。 風がとおりすぎる、そして花がざわめく。 内緒話をするみたいにさわさわとさわいで、たくさんのヒトが私を見てるようで、 さいなまれるようだった。 アシュヴィンのまなざしはどこか優しく、どこか誘惑的で、 私はすべてを忘れたくなった。 こんなところで何をしているの、無駄な時間。 敵と二人で危険だわ。 そんなことわすれてしまって、ただただ彼が、目を話してくれない。 おもわず、目を閉じて唇を出しそうだった。 きっとこっけいなことだったろうけども。 こっちの世界のひとは元の世界では考えられないようなことを平気でする。 いや、逆なのかもしれない、こっちの世界では私が元のようなただのヒトではないからなのかもしれない。 次の言葉を待った。 お願いこんな沈黙いらないの、 思いを膨らまさないで。 あけてはいけない、あけてはいけない、あけてはいけない。 昔話はいつだって禁忌を破ったら開くのは不幸。 箱を開けてはいけません。 どうしてそれでもヒトは開いてしまうんだろう。 箱の中身は、黒百合。

人類永遠のテーマ。禁止されるとやりたくなる。

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