Kiss me
ともゑ×珠美

「珠美ちゃん。」
彼女の家でご飯を食べ終わり、満足してテレビをぼぉっと見ていたぼくは小さく呼んだ。
「ん?どうしたの?」
洗物をしていて聞きづらいはずの小さな声にすら反応してくれることに、
こころが弾む。
ただそれだけなのに自分をこんなに幸せにしてくれる彼女はすごいと思う。
「キスして。」
「は?」
一瞬訳のわからないという不思議そうな顔をして、
そのあと赤く染まっていくそんな顔が好きだ。
驚かせて、恥ずかしがらせたいと思う。
「な、ナに言ってるの?急に。」
「いいじゃん、誰もいないんだし。」
「だ、だって。」
別に初めてというわけじゃない、付き合っていないわけじゃないのに、
この慌てようがいとおしく思う。
「してくれないと僕タバコすっちゃおっかなぁ。」
「未成年でしょ!」
こんなときまるで教師そのものだと思う。
教師だけど。
「してくれないと、僕・・・。」
続きを言わない僕を固唾を呑んでみている彼女の顔も面白くて好きだ。
「わかった、するよ。」
そういいながら別にすごく嫌そうじゃないのも嬉しい。
手を拭いて、こっちに来て、少しためらって
「目閉じて!」
って照れ隠しに言うのもかわいくて好き。
「はいはい。」
目を閉じると柔らかな感触を伝えるものが唇に当たる。
肩に触れる暖かい手の感触。
これだけで幸せを感じれる。
それはエクスタシーとか快楽とは無縁だけども、
そんなものの何万倍も何億倍の幸せが感じれる。
それを伝えてくれる彼女はすごいと思う。
「もう一回。」
「わがまま。」
そういいながら目を閉じてまた触れる彼女の素直さもいとしい。
そして、僕が目を開けてること気づいてないところもかわいい。
すべてを教えてくれる、彼女は世界で一番すごいとおもうけれど。
もう何十回かしてもらってから言おうと思う。
ともゑは好きな人とするキスをしってしまったらキス魔になると思う。
幸せになって欲しいな。
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